誰でも簡単にできる?MFTで必要な器具を歯科のプロが解説

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Dr.KITAMI

北見 顕介/KensukeKitami このコンテンツでは、現役の歯科医師ができるだけ専門用語を使わずに、わかりやすい言葉を使って解説しています。
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今回はMFT(口腔筋機能療法)を行う際に必要になる器具について解説したいと思います。器具が必要になると「トレーニングをすぐに始められるの?」と思うかもしれません。最初は僕もMFTをすぐに始めることさえとても難しいと思っていました。

この記事を読めば使う材料は、比較的安価で容易に手にいれることができるものばかり」であることがわかるはずです。この記事を読んで、難しそうなMFTのイメージを変えていければと思います。

もしMFTがどういったものかわからない場合は歯並びが良くなるMFTとは?歯科のプロがわかりやすく解説の記事を参考にしてみてください。

ストロー

ストローはMFTで口唇や舌の正しい姿勢を覚えるときなどに使います。種類は太いものや細いものがありますが、主に使うものは細めで軟らかいものが適していると思います。あまり太すぎると、レッスンのときにストローが折れ曲がってしまったり邪魔になってしまいます。

また太すぎるとストローを咬んだ感覚が強すぎるので、レッスンのときに舌の感覚がつかみにくいことがあげられます。長さは、長すぎる必要はあまりないので、あえてそのようなストローを選択する必要はありません。

やりやすいストローとしては直径が約3㎜くらいで長さも20cm程度のものを選択するようにしましょう。ストローについている曲がる部分(蛇腹:ジャバラ)は無い方がいいかもしれません。またレッスンを楽しく行うために白や地味な色のストローよりもよりカラフルなストローを選択する方がオススメです。

楊枝(ようじ)

咀嚼のレッスンをするときに、レーズンやガムなどの食べ物を奥歯の上に置くために使用します。楊枝についてはそれ以外に使う要素は無いため通常の楊枝でまったく問題がありません。

現在は値段が変わらずデザイン性のある色付きの楊枝も多々売られています。上で解説した「楽しい雰囲気にする」理由と一緒でそれらを選択した方が子供達が楽しむきっかけになるかもしれません。

スティック【大・小】

スティックはレッスンでたびたび舌を押したり、舌の上に保持して嚥下(飲み込む動作)の動きを観察したりします。市販されているアイスキャンディーの棒状の板でも代用可能ですが、正式には歯科の材料店で”舌圧子”という形で売られています。

大と小がありそれぞれ用途が異なります。MFTではスティックを加えたままレッスンを行うことも多いため、低年齢の子供を指導したり、家で練習させるときには注意が必要です。

詳しくはこれを知らないと意味が無い?MFTをする際に注意する9つのことで解説していますので参考にしてみてください。

スプレー

主にスプレーは嚥下の練習の際に水を口に入れるために使用します。ここで注意すべき点は

  • 霧状
  • 直線状

にでるスプレーがあるということです。霧状に噴射されるスプレーは下の画像のようなものです。

MFTでは必ず直線状に出るスプレーを使用します。理由としてMFTではピンポイントで舌に水を噴射させる必要があるため、霧状だと水が周囲に飛散してしまい、うまくいかないからです。

安全面から材質は固く、重すぎるものはやめ軽く軟らかい素材のものを使用しましょう。

また衛生面を考え、練習が終わった後スプレーの中の水は全て捨て、しっかりと洗ってから乾燥させるようにしましょう。

指導者は一つのスプレーを複数の患者に使用することもあるので、(口に触れることはないですが)必ず患者さん一人一人毎に水の吹き出し口を含めた全体を十分に消毒してから使用するようにします。

コップ

水を飲む練習で使用します。水の量やトレーニングの際の口元の動きが見やすいように必ず透明のコップを使用します。ガラス製のものは落として割れてしまう危険性があり、できればプラスチック製のものや、使い捨てのものを使用するようにしましょう。

嚥下の練習の際、水はかなりの頻度で使うことになります。水はできれば水道水ではなく、市販されている水を毎回使用した方が清潔に保つことができます。

また水が冷たすぎる場合、しみたり、コップが曇ってしまい口の動きがわかりずらくなってしまうため常温の水を使用するようにしてください。

手鏡

MFTでは必ず手鏡で自分の口を見ながらトレーニングを進めます。特に最初は思い通りに筋肉を動かすことができないため、必ず目で見て、間違った動きを修正していきます。

鏡の大きさは大きすぎず、小さすぎないものが使いやすいと思います。目安として30㎝離した位置から口元を含めた顔の表情が分かる大きさで選んでみてください。

コットンロール

コットンロールは、基本的に口唇の正しい姿勢を覚えるために前歯と上唇の裏にいれて使用します。大きさはトレーニングの邪魔になってしまうため、大きすぎないもの(3㎝〜4cm)を使用するようにしましょう。コットンロールを上唇の裏側にいれるとき、真ん中に切り込みをいれることによって「上唇小帯」を避けることができます。

また注意点として、コットンロールが乾燥していると唇の裏側にはりついてしまって、外すときに痛みが出てしまうことがあります。対処法としては少量の水を含ませるようにすると痛みがなく外すことができます。

紐付きボタン

口唇のトレーニングをする際に紐付きボタンを使って引っ張る訓練をするために使用します。誰でも簡単に作成することができるので今から作り方を解説していきます。

  1. ボタンと紐を用意します。
  2. 紐は40㎝程度に切ります。
  3. ボタンの穴に紐を通す。
  4. 紐を通したら紐同士を結び完成です。

完成したら一度、口唇と前歯の間に入れて一度引っ張り問題ないか確認するようにしましょう。

また、材料を用意するときは以下のことに注意してください。

  • ボタンはシンプルな薄めのもの
  • 紐は細すぎない太めのもの
  • 切れにくい丈夫な紐

これらも使用した後は必ず、ボタンと紐を綺麗に洗って常に清潔に保つようにします。

ボイスレコーダー

MFTを効率良く行っていくためには常にレッスン内容や正しい音声を録音して進めていくことは必須です。したがってボイスレコーダーは高価なものではなくて録音と再生のみのシンプルなものを選ぶようにしましょう。ボイスレコーダーを用意することが難しい場合、携帯電話の録音機能を使っても大丈夫です。

MFTはトレーニングを行う対象が6〜10歳の場合、携帯電話を持っていることが少ないため保護者の携帯電話を使うことが多くなります。

大切なことは録音する機械は一つに絞るということと、レッスンを進めていく際に録音記録を順に消していくということです。理由としてたくさん音声を溜めてしまうと、家で聞くときにどの音声を聞けば良いのかわからなくなってしまうためです。

ワークブック

MFTはワークブックにそって行うと効率よくレッスンを進めることができます。ワークブックは動物のキャラクターがたくさん書かれていているので親しみやすく、レッスンの順番もわかりやすくイラスト付きで書かれています。ワークブックに書かれている絵とメニューを参考にしながら毎日練習していきましょう。

ただし、ワークブックだけでは筋肉の細かい動きだったり、どういった音を出せば良いかなどは決してわからないので診療室で録音した音声などを聞きながら参考程度で進めていくことをお勧めします。

食材

咀嚼の練習に使用していきます。主に用意する食材の種類は「ガムやレーズン」、「水分が多い食材」、「乾燥した食材」などが使用されます。

ガムやレーズン

ガムやレーズンによって咀嚼する部位を覚えていきます。どちらも大きさは奥歯の上にのる程度にしておきます。ガムは口蓋に押しつけるように張りつけて舌を保持することによって、舌の正しい姿勢位を覚えることに使用します

水分の多い食材

水分の多い食材も嚥下の訓練に使用します。水分の多い食材を飲み込む際は、咀嚼している間に何回か汁を飲み込む動作が行われ、最後に食材全体を飲み込む動作が行われます。多くの場合リンゴが使われますが、梨やオレンジなども使用することができます。

乾燥した食材

唾液をたくさん使って飲み込む訓練に使用します。乾燥した食材を飲み込む際は、咀嚼するときに唾液を多く使って一度飲み込んだ後、歯の周りについたカスを何度かに分けて飲み込む動作を行います。主にクラッカーやクッキーを使用することが多いです。

ビデオカメラ

特にMFTはどれだけできるようになったのかが自分ではわかりにくいため、もし可能であればビデオカメラで訓練の様子を撮影することができればとても有用です。訓練がうまくいかないときの様子をまずビデオで撮影しておき、できるようになった後それを見返してみると変化が一目でわかるのでモチベーションに繋がります。

またときどきビデオを見直して、忘れがちになっている

  • 姿勢の悪さ
  • 食べ方
  • 飲み込み方

などを見て、確認しながら進めていくと訓練の効果が高くなります。

まとめ

今回はMFTで必要なものを順に解説してきましたがいかがだったでしょうか。どれも安価で簡単に用意できるものばかりだったと思います。このような器具だけで気軽に行うことができることもMFTのメリットだと思います。

もしMFTを行っていくうえで、用意するものがわからなくなってしまった場合はこの記事を読んで復習してみてください。

今回は以上です。

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