歯科医師が教える驚愕の真実。歯科衛生士は歯石をとっちゃダメ!?

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歯科医院で定期検診で来ている患者さんに何気なくやっているスケーリング(歯石をとる処置)。実はこれ。やってはいけない」と知っていますか?

定期検診=スケーリングは間違いなんです

正しい知識も知らず、定期健診を行っていると患者の大切な”一生モノの歯”がどんどん失われていきます。

今回は歯科医院の定期検診で行われる歯石を取る処置”スケーリング”の意外な真実。どうすれば患者さんは一生自分の歯で食べていけれるか、歯科医療従事者が9割意識できていない内容をできるだけわかりやすく記事にしました。

この記事を読めば、あなたが普段やっていることは間違いだったことに気づくはずです。それではさっそくいきましょう。

9割の歯科衛生士が間違っている習慣とは?

なぜ患者さんは定期検診で歯科医院に来院しますか?あなたはこの質問に「歯周病が進まないようにするため」「歯を失わないため」と応えるかもしれません。

実際に歯医者に来る患者は

  • 歯石が溜まっているからそろそろ歯医者に行こう。
  • しばらく歯のお掃除をしていないからしてほしい

などの理由で来院することがほとんどです。このような患者を診たとき、多くの歯科衛生士は「歯石が溜まっているからすぐに歯石を取ろう!!」「歯の着色などが目立つのですぐに磨いてとってあげよう!!」と条件反射のように思ってしまっているのです

例えばこれはあなたが旅行先でお土産を見たときに、 そこでしか買えないモノ=今買わないと損 と条件反射で無意識に思ってしまう人間の心理と似ています。

歯石が溜まっている=すぐに取るモノ は間違いなのです

まずは、この条件反射をなくすことから始めましょう。実はこの考えのまま、患者の診療を続けていると将来、歯を失う可能性がずっと高くなります。

今回は歯科衛生士が患者の歯石を一生懸命とっているのに歯が失われていくような悲しい結果にならないように、是非正しい知識をつけてください。

”たった1本の歯ブラシ”だけで歯周病は治せる

あなたは歯周病を治療していく際に、歯石さえ取ることができれば良いと思っていないでしょうか?これは大きな落とし穴です。なぜなら

歯周病の根本的原因は歯石ではない!!

からです。歯周病は歯の表面に付いた歯垢(プラーク)という細菌の塊が原因でおこります。

写真の前歯にべっとりついているのが歯垢(プラーク)です。左が染め出し前。右が染め出し後です。歯垢がついている部分の歯肉が赤く腫れているのがわかります。

これは、その歯肉に炎症があることを意味します。この歯垢さえついていなければ歯周病は進むことがないのです。ということはしっかりと磨くことさえできれば、

歯ブラシ一本で歯周病は治るということになります。

歯ブラシだけで歯周病が治るなんて信じられない・・・

“歯ブラシだけで歯周病が治る”なんて言うと確かに疑問です。中には信じられない人もたくさんいることでしょう。では、実際に歯ブラシだけでどれだけ変わるのか見ていきましょう。

これは歯垢(プラーク)が歯の周りに付着して歯周病が進んだ写真です。歯肉が赤く腫れ上がっているのがわかります。これが歯ブラシだけでどれだけ変わるのでしょうか。

どうでしょう。これだけ劇的に変わるんです!!ちなみに、この患者さんの歯石はいっさい取っていません。歯ブラシの仕方、テクニックを患者さんが身につけ、それを実践できれば歯を失うリスクは一気に下がるのです。

ここまでコントロールできれば、後は僕らが歯肉の炎症がとれ、引き締まった歯肉の見えやすくなった歯石を取り歯の汚れ(着色)を取ってあげるのみです。

本気で歯周病を治そうと思ったら歯石は取らない

歯周病を本気で治そうと思ったら歯石は取ってはいけません。これまで説明してきたように歯石自体に害はないからです。

歯垢(プラーク)は歯石があるとその周りにもちろんつきやすくなりますが、歯石がついているから歯周病が進むのではないことを常に頭にいれておきましょう

そもそも歯石とは歯の表面についた歯垢が唾液の成分で固まって”石”になったものです。古代の蚊が中に入って固まった琥珀(こはく)を知っていますか?

この琥珀(こはく)と同じように歯垢(プラーク中)中の細菌が固まって石のように固まった状態だと思ってください。

したがって、歯石がたくさんついている患者の歯石を急いで取る必要はありません。それよりも、歯の表面にベットリついている歯垢(プラーク)のほうが何倍も害があります。

むしろ歯石を急いでとってしまうと、一時的に炎症が消退することがあります。患者は原因を取り除いていないのに歯周病が治ってきていると勘違いして、安心しきってしまうのですその結果、すぐにまた歯垢がつき始め歯周病は確実に進んでいきます。

このように考えると歯石はすぐに取らないほうがむしろ患者のためです。まず歯石をとらなくても患者の歯ぐきの腫れが治っていくことを実感させることが重要です歯肉の腫れが消退した後、初めて患者の歯石を取ってあげましょう。

あなたが歯を綺麗にするだけでは意味がない?

いくら定期的に歯科医院に通ってもせいぜい1〜3ヶ月に一回程度です。メインテナンスが終わったその日は、一時的に歯の表面は綺麗かもしれません。

しかし、歯垢(プラーク)は約24時間で歯の表面に少しずつ蓄積します。磨き方がわかっていない状態で1日も経つと、歯医者に来る前と同じ状態に後戻りしてしまいます。

「定期検診に行っているから大丈夫。」「今日は歯医者に行ったからしばらくは綺麗。」と安心していると歯をどんどん失っていってしまうのですいくら検診に来ていても自分の歯を守ることができるのは患者本人だけです。

ここまで、”あなたが患者本人に磨き方を指導しなければならないこと”はおわかりいただけたでしょうか?

歯医者に来るたびに歯石を取り続けたらどうなる?

歯石を取る処置(スケーリング)だけをひたすら続けていても、歯肉に炎症は残り続けます。下の写真は実際に自分であまり歯磨きできない人が最初に歯石をある程度取ったときの写真です。

歯肉の赤みがそのままです。また歯肉に炎症があるため出血しているのがわかります。患者本人の歯磨きができていない部分は、この状態が長く続くと思ってください。これでは、原因自体取れていないので歯周病が良くなることはありません。

むしろ、定期的に歯医者に来ているのに、歯周病がどんどん進んでいくことになります。

 

歯石を取ることより大切なこと

歯科医師、歯科衛生士が患者の歯石を取ることよりも先に知らなくてはいけないことをまとめました。

  • ”歯磨きの仕方を教えない”なんて行為はすぐに改める
  • 歯周病の原因は歯石ではなく、歯垢(プラーク)が原因であることをまず患者に説明する。これがわかっていないとまず歯磨きしてくれません)
  • 数ヶ月に一回、歯医者に来るよりも自宅で「1日1回の質の高い歯磨きをすることの重要性を理解する
  • 2〜3ヶ月に一回歯医者に来るのは毎日の歯磨きができているかの確認をするため
  • 歯石を取るときは、口全体の炎症が消退してから必ず行うこと

そして患者に磨き方を指導するためには、

  • あなたが、自分の口腔内を「100%歯磨き」をできるようにする

ようにしましょう。人に教えるためにはまずポイントを知らなければいけません。まずあなたができていないのに、誰に教えれるのでしょうか?下にあるのは100%歯磨きをしたときの写真です。

もちろん100%歯磨きができるようになるには時間もかかりますし努力も必要ですしかし歯石を取れるようになることよりも先に、”100%磨ける歯磨きの仕方を学ぶ”方が遥かに大切だと僕は思っています。

まとめ

虫歯や歯周病は歯を失う大きな原因ですが、遺伝などで決まっているわけではなく歯の表面についた歯垢(細菌の塊)が原因です。

歯ブラシ一本で歯を「100%磨くこと」さえできれば、どの治療よりも価値の高い治療で歯医者に通うことがない魔法のテクニックを患者に教えることができるのです。

また日々、歯の磨き方をサポートできる大切な存在が歯科医師、歯科衛生士なのです。

今回の記事の大事な点をまとめてみました。

  1. 歯周病が進む原因は歯石ではなく歯垢”プラーク”であること(虫歯も同じ)
  2. ”正しい歯磨き”を身につけることができれば、歯周病は治る
  3. 定期的に歯科衛生士が掃除しても患者本人が毎日磨けなければ全く意味がない(むしろ失う結果になる)
  4. 正しい歯磨きを身につけていないまま治療が進んでも近い将来悪くなり治療が後戻りしてしまう

こんなところでしょうか。

もしこれらのことがわかっていない場合、本当に治療をしているのか、していないのかわかりません。あなたもこの記事を読み本当の歯科治療を提供していきましょう。これらの考え方は、若手の歯科医師や歯科衛生士であればあるほど大切な考え方ではないでしょうか

今回は以上です。

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