国家試験は落ちる人と落ちない人がいます。その理由はどこにあるのでしょうか。あなたも知っている通り、「これをしていない人は必ず国家試験に落ちる」というものは存在しません。
しかし、国家試験に何度も落ちる人は少なからず共通の特徴、理由があります。僕は多くの受験生を見てきた結果、国家試験に落ちる傾向のある人達の共通のパターンがみえてきました。
今からその、人生を左右する「国家試験に落ちる人の特徴、理由」をできるかぎり列挙していくので、あなたがそれにあてはまっていないのか是非チェックしてみてください。
目次
誰も知らない、国家試験に落ちる人の共通点
落ちる人の理由は大きく分けて4つあります。そのどれかにあてはまっているということになります。
- 勉強量は確保しているが正しく知識として定着していない
- 勉強の質が足りない
- そもそも勉強量が少ない
- 本番に弱く精神的に追い詰められてしまう
試験というものは、自分の努力がそのまま結果となって現れるいわば発表会みたいなものなのです。理由としてはシンプルですが、もちろんそれぞれにさらに細かな要素があります。頭にいれておきたいことは、
しっかり勉強の量と質を確保して、効率のいい勉強をして、そのまま本番で力を出せれば間違いなく受かります。
勉強量は確保しているのに正しく知識として定着していない
時間は誰にでも平等です。勉強時間を確保しているのに、それが正しく知識として定着していないということは次のことにあてはまっている可能性があります。
- 集中していると思っていてもまったく集中できていない
- 集中力を持続している時間が極端に短い
- 集中できていると思っている勉強場所が間違っている
- 自分のすでにわかっている範囲を何度も勉強している
- 復習をまったくしていない
- 十分な睡眠をとっていない
多くの人は勉強時間をしっかり確保しているという意識が常にあるので、定期テストや模試で自分の順位を知りショックを受け、やる気が下がるなどの悪循環に陥ってしまいます。
もし、あなたが勉強時間は確保していると思っていても成績がふるわない場合はこれらにあてはまっていないか確認してみてはどうでしょうか。
勉強の質が足りない
勉強の質はとても大切です。たとえ一日10時間以上勉強できても質が低いことで、成績が上がることはないと思って良いです。以下に陥りやすい項目をあげるのでチッェクしてみてください。
- 現在の国家試験の傾向に沿って勉強していない
- 過去問に頼りすぎている。過去問を何周かして満足している。
- 理解を怠ったまま次の問題に進んでいる
- 模試を本番と思わず適当に受けている
- パターン化された解答で覚えることはできるだけ避ける
- たくさんの参考書を買っただけで満足している
もしこれらの項目を読んで心当たりがある人は少し勉強法を見直す必要があります。保存修復学は保存修復学。補綴は補綴の覚え方があり、それらをまったく考えず、「ただ問題をひたすら解く」など、自己流の勉強になってしまうことはあなたが思っている以上に危険な行為です。
現在の国家試験の傾向に沿って勉強していない
現在の国家試験は定員数の削減だけでなく、近年の傾向問題というものがあります。この傾向というものを必ず把握して、対策していくということも大切になります。共通して言えることは”考えさせる問題”が多いことと、”知識の根拠がわかっていないと最後の選択肢が選べない”問題が多くなってきているということです。
勉強をして情報を得たときはこれらをいつも意識しておくということが大切です。
過去問に頼りすぎている。過去問を何周かして満足している。
昔の国家試験は確かに「過去問を5周すれば国家試験に受かります」などと言われていた時代がありました。現在の国家試験では答えはNOです。過去問を5周しようが、10周しようが、通用しない問題が多く出題されている現在の国家試験には絶対に受かりません。
とはいっても、過去問は大事なことは確かです。解くことは必要なことですが、過去問に固執しない姿勢を常にもつことから始めてはいかがでしょうか。
もし、過去問の解き方をもっと詳しく知りたい方は、知らないでは済まされない!過去問を最大限に活かす使い方でも解説していますので是非参考にしてください。
全科目に共通ですが、特に衛生など現在の統計結果を元にする科目や、現在臨床的に主流になってきている治療法。例えばインプラントなどは過去問などは通用しない可能性が高いです。
理解を怠ったまま次の問題に進んでいる
当たり前ですが問題の答えを覚えるだけで、次の問題に進むことはやめましょう。しっかりとなぜその選択肢になるのか?という納得した答えをだしてから次に進むという癖をつけることが大事です。もし納得する前にわからない用語にぶつかった場合はすぐに調べましょう。
その労力を怠ってはダメです。時間がない場合は自分より成績のいい人と勉強しその場で聞いてしまうのも一つの手です。もしその習慣を癖にしてそれが身につけば、わからないまま次の問題に進むことがだんだんできなくなるはずです。
パターン化された解答で覚えるのはできるだけ避ける。
パターンで解答できるものも中にはありますが、そのような問題は年々少なくなっています。特に臨床実地問題は様々な条件設定が提示され、解答が変化します。結果、パターン化された解答が通用しなくなるのです。
もし、そのような問題を解き、解答が導けない場合はできるだけ臨床経験のある先生に聞くことが大切です。(できれば臨床経験5年以上)臨床経験がある先生は、臨床的な感覚で選択肢を省けることも多いです。その部分を詳しく解説してもらいましょう。
また昔の臨床実地問題は現在の国家試験では絶対に出題されない問題も存在するので、絶対に出ないと判断したらそれらは大胆に省いてしまうという姿勢も勉強の効率を上げ、質を高めるコツになります。
たくさんの参考書を買っただけで満足している
勉強をやり始めの人にありがちな落とし穴です。国家試験の勉強を本格的に始める時期が遅かった僕も、周りの友人が持っている参考書を片っ端から揃えました。しかし、実際の国家試験で使った参考書はその半分も使わなかったのです。しかも、沢山買うことでなぜか安心してしまいました。
参考書の特徴や使い方によりますが、沢山の参考書を広く浅く触るより、”自分がこれで勉強する”と決めた参考書1つをボロボロになるまで使った方が、勉強の質が高まり成績が上がります。
参考書を使ってもまったく成績が上がらない人は、これで周りに差をつける!成績が上がる参考書の使い方まとめを参考にしてください。
そもそも勉強量が少ない
勉強量が少ないことに理由もありませんが、あえて理由を挙げてみると
- 将来歯科医師になってもやりたい分野が決まっていない
- そもそも歯科に興味がなく勉強していてもつまらない
- 自分が国家試験に受かると思っていない
- 勉強を習慣化できていない。する方法がわからない
- すぐに友達の誘いに流され遊びに行ってしまう
- 一緒に勉強を頑張る仲間がいない
- 危機感がない
- ながら勉強をしている
- 集中力が足りない
- 十分な睡眠をとっていない
などが考えられます。まず、5年生の段階で「やる気がでないのは仕方がない」と考えがちですがそうではありません。今まで歯科の分野を学んできて、この分野は「面白いな」「少し興味があるな」と思ったことが必ずあるはずです。
「友達には負けたくない」、「こんな先生になりたい」などでも良いと思います。
将来歯科医師になるビジョンをまず明確化し、少しでも興味がある分野を早めにピックアップしておきましょう。それが知らないうちにやる気に繋がり、勉強量が多くなります。
メンタルや、生活習慣面を整えることによって勉強量を確保し、次は勉強の質を上げる方法を少しずつ身につけてくのが良い方法です。そうすれば相乗効果により、成績は必ず上がっていくはずです。
国家試験に落ちる人の特徴
僕が国家試験の勉強をしているときに、「この人は多分落ちるなー。」と感じたり、実際に国家試験に落ちた人の特徴を挙げておきます。
- 常に一人で勉強していて、周りの情報が一切入らない状況で勉強している
- 大事なところで、ケアレスミスや、とりこぼしが多い
- 理由や目的もなく国家試験の勉強をしている
- 成績が悪いことを周りのせいにしている
- 学校や教師の悪口を常に言っている
- 本番に弱く異常に緊張してしまう
- 勉強法を意識せず、軽視している
- 朝、決まった時間に起きない
- 常に人と違った勉強をしている
- 全国模試を真面目に受けていない
- 学校の授業を休む
- 過去問を軽視している
- 集中力がない
列挙していることは、気をつけていれば直すことができるものや普段の生活など基本的なことばかりなので、受験生であればしっかりとした意識をもっていくことが大切です。
情報を得ようとしない人。間違った情報を信じる人は落ちる
学生生活の中で、僕は定期テストや国家試験も含め勉強と同じくらい大事だと思ったことがあります。それは情報です。今のところ歯科大学は、受験生の確保や大学の合格率を上げるために、学年ごとの留年者数を増加させる傾向にあります。
そのとき落ちる傾向にあった人達を思い出してください。大抵周りが持っているテストに出そうな資料を持っていなかったり、間違った範囲を勉強していた人ではなかったでしょうか?
国家試験も同じで、定期テストと同じ情報戦です。常にアンテナを張り巡らせて、出ると予想される範囲、資料は必ず把握するようにしましょう。
信頼性のない情報を信じるのはやめる
信頼性のない情報を信じる癖はやめておいた方が無難です。国家試験の勉強中は噂話や、信頼性のない情報が流れることも少なくありません。また、インターネットなどの情報源もそうです。
人は話題性のある物事を何の疑いもなく信じてしまう傾向にあるのです。人生を左右する国家試験の勉強で、「国家試験を受けたこともない人の発言」、「国家試験の傾向もわかっていない人の勉強方法」をどうして信じるのでしょうか?
大事な国家試験の勉強中に情報を得たとき、まずはその情報は本当に信頼性があるのか?ということを常に考えるようにして、自分の国試勉強に集中するようにしましょう。
まとめ
国家試験に「これだけはやっておけば受かる」というものが無いように、「こんな人は100%落ちる」ということはまずありません。しかし、多くの現役生、浪人生を見る中で、共通するような項目はいくつかあると思います。
また、そのようなことは普段の生活から気をつけていればそれほど問題にならなかったり、あなたの意識の問題です。そのような共通項目に自分があてはまらないように常にチェックしておきましょう。
歯科は勉強をしていくと楽しさがいくつも発見できる分野です。きっかけは何でもいいので、早い段階で、立派な歯科医師、歯科衛生士になるという信念を持つこと。それによって、勉強に取り組む姿勢や、習慣を身につけておくことが大切だと考えています。
今回は以上です。
コメントを残す