子供(乳歯)の虫歯予防のために必ず親が実践するべき9つの方法

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乳歯はいずれ永久歯に生え変わるものなので、「永久歯が虫歯になりさえしなければそれでいい!」と気楽に考えている人もいるかもしれません。確かにそれは一理あるように見えます。しかし実際のところ、乳歯と永久歯というのは密接な関係があることはあまり知られていません。

永久歯を虫歯ゼロにしたければ、乳歯のうちから気をつけておくことが永久歯を虫歯にするか、しないかを左右します。そういった意味では、乳歯も永久歯と同じくらい大切です。

子供の周りには虫歯の危険がたくさん潜んでいて、今回解説することを知らなかったり、意識をしていないと、乳歯はすぐに虫歯になってしまいます。

ただ、過剰に心配する必要はありません。大事な乳歯を虫歯にさせないために、今回解説する「親が守るべきポイント」を知っておけば、乳歯の虫歯を防ぐことは十分に可能だからです

今回は子供(乳歯)の虫歯を予防するために親が知っておくべき知識を8つに分けてまとめました。それではさっそく解説していきます。

食べた後すぐ歯磨き!はウソ

おやつを食べても、その後歯磨きをすれば、虫歯にならないし大丈夫!と思うかもしれません。これは間違いです。なぜなら、ものを食べ終わった頃には、お口の中は酸性になっていて、すでに歯が溶け出す状態になっているからです(脱灰 : だっかい)。これは、食べた後に一生懸命、歯磨きをしても遅いということを意味しています。

そもそも歯磨きは何のためにするのでしょうか?もし食べカスをとるためだとしたら、食べカスをいくらとっても虫歯を予防できるわけではありません。酸性になった口の中を中性に戻すのは、歯磨きではなく、口の中の唾液の働きによって中和(再石灰化 : さいせっかいか)されますそして、中和するには、2〜3時間はかかります

よって、食べた後に歯磨きをするよりも、口の中が酸性にならないように工夫した方が良いのです。特にNGなのは、甘いもの(糖分が含まれるもの)を寝る直前に食べてしまうことです。

寝る直前に糖が含まれる食べ物を食べて、口の中が酸性のまま眠ってしまうと、眠っている間には唾液がほとんど出なくなります。眠っている間、長時間口の中が酸性のままになってしまい、歯が溶かされるリスクが高まるからです

虫歯を予防するための必須の知識。脱灰と再石灰化についての関係は、こちらの記事誰もが間違っている!?本当の虫歯(う蝕)の原因と予防法を完全網羅でさらに詳しく解説しています。

おやつは時間を決めて与える

虫歯の多い子供は、おやつやジュースというような、糖分の高いものを、時間を決めずにだらだらと口にしているという共通点があります

特に、両親が共働き、もしくは片親で祖父母に預けられている、というような場合や、小学生以上で、一人で留守番をしている子供は、おやつやジュースのコントロールがなされていない場合が多く、虫歯が多い傾向にあります。

注意してほしいのが、「おやつを与える=虫歯になる」というわけではありません。逆に甘いお菓子やジュースを口にしていても、きちんとおやつの時間がコントロールされている場合だと虫歯になりにくくなります。

おやつは与え方が大事です。時間を決めて、だらだらと食べさせないようにしましょう

また、暑くなるとジュースやスポーツドリンク、イオン飲料を飲む機会が増えがちですが、このような糖分を多く含んだ飲み物も、頻繁に飲んでいては、お口の中が酸性に傾き、歯が虫歯になりやすくなります。

  • 煎餅
  • おにぎり
  • クラッカー
  • ポテトチップス

のような「甘くないおやつ」も糖質を多く含んでいますので、虫歯をつくらないわけではありません。決して油断しないようにすること。

乳歯の虫歯は甘くみてはいけない!今後の”影響を理解”

「乳歯はいずれ生え変わるし虫歯になっても問題無い」と思う親も多いことと思いますが、乳歯の虫歯を決して甘くみてはいけません。それはなぜでしょうか?その理由として次のようなことがあげられます。ひとつづつ確認してみてください。

子供に苦痛を与えてしまう

乳歯は質・構造共に永久歯よりも弱いため、虫歯にかかりやすく、また進行も早い傾向があります。そのため、虫歯ができると小さな子供が痛みに苦しむ姿を見なければなりません。

また、小さければ小さいほど、本人の治療への協力が得られず、周囲の大人も疲労困憊し、無理に治療したとしても、子供の心に大きなトラウマとして残ってしまう可能性があります。そうなると、その後歯医者に行くのが恐怖になってしまうというような、新たな問題が起り、悪循環に陥ります。

永久歯も虫歯になりやすくなる

乳歯の段階、上の写真のような生え変わりの時期に虫歯がたくさんある場合、その後生え変わって出てくる永久歯も多くの虫歯菌にさらされることになります。それゆえ、永久歯も虫歯にかかるリスクが非常に高くなります。

永久歯の歯並びが悪くなる恐れがある

乳歯の虫歯が進んで、永久歯の生え変わり時期よりも早い段階でボロボロになり、抜歯しなければならなくなった場合、周囲の歯が空いたスペースに寄ってきてしまいます。

そうなると、抜いた乳歯の後に生えるべき永久歯の場所が足りなくなってしまい、歯並びから外れた場所に生えてきて、歯並びがデコボコになってしまいます。

また、抜歯をしない場合でも要注意です。永久歯も乳歯も同じですが、虫歯が大きくなり、それを放置していると根っこの内部までバイ菌が入り込み、膿を溜めることになります。

結果、後に控えている永久歯が生える障害となったり、膿を避けるように出てくるため歯並びにも影響してきてしまいます。

永久歯が着色、弱くなることがある

先ほど言いましたが虫歯が大きくなると、乳歯の根っこの周囲に膿を溜めます。乳歯の根っこの周囲に膿を溜めると、その膿のせいで永久歯に茶色や黄色の着色を起こすことがあり、永久歯の歯の質がうまく形成されず、弱くなってしまうことがあります。

顎の発達に影響する

乳歯の虫歯が進んで痛みが出ると、そちら側で噛むのを避け、反対側でばかり噛むようになります。すると、それが悪い癖として残ってしまい、顎の成長が遅れてしまうなんてことも。また、顔が歪んでしまうなんてこともあり得ます。

永久歯が足りない場合は要注意!

乳歯が抜けた後、永久歯は当然生えてくるもの、と思われがちですが、10人に1人くらいの割合で、永久歯の数がもともと足りないケースがあります(先天性欠如:せんてんせいけつじょ)もし、生え変わるべき永久歯がない場合、乳歯をできるだけ大切に使い続けていく必要があります。

親が口の中を清潔にしておく

親が口の中を清潔に保ち、虫歯も放置せずにきちんと治療しておくことがとても大切です。虫歯が進行する前に必ず歯医者で治療を受けるようにしましょう。

理由は簡単で、まず生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯菌はいません。虫歯菌を含むお口の中の細菌というのは、ほとんどの場合、いつも一緒にいる人、つまり親から子供に移ってきます。

見ていると、乳歯の虫歯が多い子供は、親が虫歯だらけ、あるいは虫歯の治療跡が多い、という傾向があるように感じます。逆に親自身のお口のケアが行き届いている子供は、虫歯がない、もしくは少ないと言えます。

つまり次の2つのこと

  • 虫歯が多い親からは虫歯菌をもらう可能性が高くなる
  • 親自身も歯のケア方法を知らないために、子供にも正しいケア方法が実践されていない

これらが子供の虫歯の大きな原因になっていると思ってよいです。

親の虫歯は、子供の虫歯にそのままうつる」と肝に銘じて、予防意識を持つようにしましょう。

親の唾液が子供の口の中に入らないようにする

お口の中の細菌は、”唾液を通じて口から口へと移ります。子供と一番多く接する親がお口ケアをしっかりとやって虫歯菌を減らしておけば、それほど心配はいりませんが、できる限り虫歯菌を子供の口の中に入れないようにする努力はした方が良いです。

そのためには親の唾液が子供の口に入らないように気をつける必要があります。

例えば、

  • 口移しで食べ物を与えない
  • 同じコップ、ペットボトル、水筒で飲まない
  • 歯ブラシを共有しない
  • 箸やスプーン、フォークの共有も極力控える

ということなどに気をつけると良いでしょう。

離乳期を過ぎたら寝かしつけの授乳をやめる

離乳期をとっくに過ぎているのに、寝かしつけのために添い乳や寝かしつけのためのミルクを飲んでいる子供は、虫歯が多数の歯にできているケースが珍しくありません。これは母乳やミルクの成分が、眠っている間に歯の表面に停滞してしまうために起こると考えられています。

虫歯菌の中で代表的な “ミュータンス菌”は、糖分を餌にして、粘着性のある物質を作り出し、そこを足場に歯の表面に定着します(歯垢:プラーク)。そして食べ物の糖を元に歯を溶かす酸を作り出します。

このことから、次の2パターンの場合は虫歯の歯垢は定着できないということになります。

  • 歯が全く生えていないうちは定着できる場所がないので、たとえ口の中に入っても、なかなか住み着くことができない。
  • 口の中にミュータンス菌がいても、糖分を含んだ食べ物を口に入れない段階では、餌がないので住み着くことができない。

しかし、歯が生えると同時に離乳食を食べ始めると、歯の表面に離乳食のカスや、母乳、ミルクなどが付着し、ミュータンス菌が歯の表面に住み着き始めます。すると、ミュータンス菌が糖質から歯垢(プラーク)を作り出して増殖し、酸を産生して歯の表面が溶け始めます(口の中が酸性の状態)。

また、何度もいうように睡眠中は酸性を中性に戻す役目のある”唾液“の分泌がかなり減少するため、口の中が酸性に傾いたままになりやすく、寝かしつけの授乳をすることで虫歯リスクが大幅にアップします

永久歯に完全に生え変わるまでは親が「徹底管理」

子供が乳児、幼児のように小さな場合、親が子供の歯磨きを行いますが、子供が大きくなるにつれ、子供自身にも歯磨きをやらせて親が仕上げ磨きをする、というパターンになっていきます。小学生以上になると子供に任せっきりという親も多いようです。

診療中よく、親が子供に対して「あなたが甘いものばかり食べるからでしょ」とか「歯磨きをちゃんとしなかったから虫歯になったんだよ」などと親が子を叱る場面によく遭遇しますが、もし、6歳〜12歳(小学生くらい)になっても虫歯になっているのなら、これらは全部大人の責任です

小学生程度では、

  • 子供はまだ自分の歯を守る術を知らない
  • 歯磨きを意識するには、年齢的にまだ低い

「小学生になったら一人で歯磨きできるだろう」とか、「おやつをダラダラ食べなくなるだろう」とは思わないことです。この時期は大人がしっかりとコントロールすることでしか子供を虫歯から守ることはできないということ。

乳歯の生え変わりの時期が、虫歯になりやすい理由

6歳〜12歳は乳歯が永久歯に生え変わる時期です。この時期は口の中の環境がガラッと変わります。生え変わりの、この時期に虫歯になりやすい、親がしっかりと管理する必要がある理由を2つ紹介します。

生え変わりの歯の段差

この時期は、乳歯と永久歯が混在しているため、歯の高さも段差ができ、歯垢(プラーク)が溜まりやすい状況と言えます。ある程度手が器用になり、理解して磨ける年齢までは親が仕上げ磨きをしてあげることをお勧めします。

例えば高学年になる前、10歳くらいまでは1日に1回、夜寝る前に親が仕上げ磨きをするのがベストです

噛み合わせの問題

歯は上の歯と下の歯で噛み合い、それに加えて唾液の流れなどによって、食べカスなどが洗い流されていきます。つまり、上下で噛み合っている歯より、反対側の歯と噛み合っていない、孤立している歯の方が汚れやプラークが付着しやすいということです

これは生え変わりの時期にも言えることです。例えば乳歯の奥に、最初に生えてくる奥歯(6歳臼歯)は、徐々に生えだし、何ヶ月もかけて、反対側の歯と噛み合います。

他の歯も生え始めるタイミングは違いますが、同様です。反対の歯と噛み合わない時間が長いこの時期は、虫歯菌が付着しやすく、虫歯になりやすいと言えます。

定期的に歯科医院に連れて行く

親が定期的に子供を歯医者に連れて行く家庭の子供は、虫歯が少ない傾向があります。理由として次のことがあげられます。

  • 歯医者に定期的に通うことで虫歯を早期に発見することができる
  • 普段の生活においての食事指導や、口の中の清掃指導を受けることができる
  • 高濃度のフッ素を定期的に塗布できる

などメリットも多いので定期的に歯科医院に連れていくことはとても大切です。

子供にタバコの煙を吸わせない

親がタバコを吸うのと、子供の虫歯に何の関係があるのか!と思うかもしれません。しかし、タバコの副流煙を子供が吸い続けることで、唾液の性質や、量が変わり、さらに歯垢(プラーク)がたまりやすくなって虫歯ができやすくなるというデータもあります。

他にも、子供の歯茎の色を黒くしてしまったり、他にも健康被害があることが指摘されています。様々な面でのリスクを考え、子供にタバコの煙を吸わせないようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。知っているか知っていないかだけでも大きな差がうまれ、意識していれば徐々に実践できるものばかりだったと思います。

子供の虫歯を予防するためのポイントは2つ。まず「虫歯菌を子供の口に入れない」「糖分をお口に停滞させない」ということです

乳歯であれ、永久歯であれ、虫歯が多いと、人生においてとても苦労することが多くなります。

子供が虫歯になるかどうかは親の姿勢にかかっています。子供が健康な歯で快適な人生を送ることができるならば、それはかけがえのない親からの贈り物となると思います。子供を虫歯にさせないために、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。

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